Brake Time
期間限定記事(~2021/6/30迄)
昨今話題になっているワクチンに関して少し整理してみよう。
・ファイザー製
アメリカの製薬大手ファイザーはドイツのバイオ企業、ビオンテックと共同でワクチンを開発し、2020年12月からイギリスやアメリカなどで接種が始まった。
日本国内では2021年2月12日に承認され、2月17日から医療従事者を対象にした先行接種が始まり、4月12日からは各地で高齢者の接種が行われている。
政府は年内に9700万人分の供給を受ける契約を結んでいる。
接種の対象は16歳以上となっているが、アメリカではFDA=食品医薬品局が2021年5月10日に緊急使用の許可の対象を12歳以上に拡大している。
mRNAワクチン
遺伝物質のメッセンジャーRNAを使っており、「mRNAワクチン」と呼ばれている。
新型コロナウイルスが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質を作るための遺伝情報を含む物質、「mRNA」を投与する仕組みである。
「mRNA」はいわば設計図のようなもので、体内の細胞によってスパイクたんぱく質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する抗体を作るよう促す。
実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染しない。
接種方法、回数
接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺して接種する。
1回目の接種のあと、通常、3週間あけて2回目の接種を受ける。
保管方法
現在は、マイナス25度からマイナス15度の状態で最長で14日間保管する方法が認められている。
接種前に解凍すると、2度から8度の冷蔵庫で保管し、5日以内に使い切る必要があるが、厚生労働省はファイザーから新たに提出されたデータをもとに31日間に延長する方向で協議を進めている。
有効性
臨床試験だけでなく、実社会での接種の有効性も示されてきている。
臨床試験の結果をまとめた論文によると、
▼発症を予防する効果が95%
▼発症を予防する効果が94%
▼重症化を防ぐ効果が92%
▼無症状の人も含めて感染を防ぐ効果が92%
▼接種から6か月たった時点で解析した発症を防ぐ効果は91.3%
▼重症化を防ぐ効果は100%
感染力の強い『イギリス株』の変異ウイルスには高い有効性が見られている。
ファイザーのワクチンは細胞レベルでの実験では、『イギリス株』や『ブラジル株』に対しては、働きを抑える効果が従来のウイルスとほぼ変わらなかったほか、『南アフリカ株』に対しては、効果は少ないながらに十分とした。
『イギリス株』が流行しているイスラエルでは高い有効性が確認されている。
副反応は軽症から中等度で、日常生活に影響が出るほどではなく通常は接種後数日で消えるとしている。
(2021年5月21日時点)
・モデルナ製
アメリカの製薬会社、モデルナのワクチンは、2020年12月以降、アメリカなどで接種が始まった。
日本国内では製薬大手の武田薬品工業が行った臨床試験の結果に基づいて承認申請を行い、厚生労働省は2021年5月21日に承認した。
日本政府は2021年9月までに2500万人分のワクチンを供給する契約を交わしている。
接種の対象は18歳以上で、政府は東京と大阪での開設を目指している大規模な接種センターで使用するとしている。
mRNAワクチン
接種方法、回数
接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺して接種する。
1回目の接種のあと、通常、4週間あけて2回目の接種を受ける。
保管方法
マイナス50度からマイナス15度の冷凍庫で保管するとしている。
また、2度から8度の冷蔵庫で30日間保管でき、接種を行うときには室温などで解凍し、使用前の場合は8度から25度の室温で使える状態を最長12時間保つことができるとしている。
有効性
発症を防ぐ効果が94.1%
また、初期の臨床試験に参加した人のうち、33人について2回目の接種から6か月後に抗体の働きを示す数値を測ったところ、
▼18歳から55歳
▼56歳から70歳
▼71歳以上のいずれの年代でも抗体の量は減少したものの、効果は十分あるとしている。
▽『イギリス株』に対しては効果に目立った変化は無かったが、
▽『南アフリカ株』に対しては、抗体の働きを示す値がおよそ6分の1
▽『ブラジル株』に対してはおよそ3分の1
の効果があったとしている。
現状のどの変異株に対してもワクチンとして必要なレベルは上回っていたとしている。
副反応は、通常接種後数日で消える。また、ほとんどが軽症から中等度で、日常生活に影響が出るほどではないとしている。
(2021年5月21日時点)
・アストラゼネカ製
イギリスの製薬大手、アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同でワクチンを開発し、2021年1月からイギリスなどで接種が始まった。
2021年4月15日の時点で緊急使用も含めて世界78の国と地域で承認されている。
日本国内でも2021年5月21日に厚生労働省が承認した。
接種の対象は18歳以上で、日本政府は年内に6000万人分を供給する契約を結んでいて、厚生労働省が承認すれば国内の製造拠点から4500万人分以上が供給される見通し。
ウイルスベクターワクチン
ウイルスの表面にあるスパイクと呼ばれる突起部分のたんぱく質を作る遺伝子を無害な別のウイルスに組み込み、そのウイルスごと投与する。
すると、人の細胞に無害なウイルスが感染して、新型コロナウイルスのものと同じスパイクたんぱく質が作られるようになり、それを受けて免疫の働きで抗体が作られる。
実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染することはない。
接種方法、回数
接種方法は筋肉注射で、1回目の接種のあと通常、4週間あけて2回目の接種を受ける。
保管方法
2度から8度の冷蔵庫で6か月間保管できますが、開封したあとは6時間以内に使う必要がある。
有効性
発症を防ぐ効果として
▼計画通りの量のワクチンを2回接種した人では62.1%だったのに対し、
▼1回目だけ半分の量にして2回ワクチンを接種した人では90.0%、平均で70.4%だとしている。
▼『イギリス株』に対するワクチンの有効性は70.4%だったとしている。
▼『南アフリカ株』に対しては発症を防ぐ効果は10.4%で、効果は見られなかったとしている。
また、『ブラジル株』に対しては。抗体の働きを示す値は一定程度下がっているものの、効果はあるとした。
血栓との関係
このワクチンをめぐって2021年3月、EU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局などから接種後に「血栓」などが確認されたケースが報告され、ドイツやフランスなどヨーロッパ各国で予防的な措置として一時、接種を見合わせるなどの動きが出た。
接種後に血栓が起きたケースの多くは接種から2週間以内の60歳未満の女性で報告されている。
ワクチンの免疫反応が関係している可能性はあるものの極めてまれなため、新型コロナウイルスに感染するリスクを考えると接種する利益のほうが上回るとしている。
2021年5月12日までにイギリス国内でこのワクチンを1回接種した人が2390万人、2回接種した人は900万人いてこのうち、血小板の減少を伴う血栓症になったのが309人、そして56人が死亡したと報告している。
血栓が起きる頻度は接種100万回あたり、12.3回だとしている。
血栓は若い世代の方が頻度が高く、イギリス政府は2021年4月7日、30歳未満に対しては別のワクチンの接種を勧めると発表し、その後、2021年5月7日には予防的な措置として、対象を10歳引き上げて40歳未満には他社のワクチンの接種を勧めると発表した。
WHOは2021年4月16日の声明で、感染が続く国ではワクチンを接種するメリットはリスクをはるかに上回るとした上で、各国は感染状況やほかのワクチンを入手できるかといった事情を考慮して判断すべきだとしている。
(2021年5月21日時点)
大まかに言うと、
我々が縁のあるワクチンは
mRNAワクチンタイプ2種☑ファイザー
☑モデルナ
ウイルスベクタータイプの
☑アストラゼネカ
の3種で、
基本はmRNAタイプの接種で補助的な位置づけにアストラゼネカが上がっている状況である。状況を鑑みるに、医療従事者、高齢者の一部はファイザータイプがメイン、高齢者、集団接種会場、若者向けではモデルナ、あぶれてる40代~60代向けにリスク高めのアストラゼネカといった流れになるのではないだろうか?
ちなみに中国は生ワクチン(ウイルスを殺したものを)体内に摂取するタイプであるが、衛生事故は多いかも知れない。
次に実際の声を元に副反応に着目してみる。
以下の例は実例を元に表したグラフである。
このグラフを見ると、2回目摂取の方が副反応が出やすいことがわかる。
特筆すべきなのだが、倦怠感、発熱は起こりやすいようだ。 慣れるまでは時間が掛かるので同じ打つなら早い目の方が良さそうである。
高齢者の大規模摂取が、いよいよ先日より始まった。
次は職域摂取、そして全体への早期の摂取が望まれますね。
人口の多い自治体と、少ない自治体は自ずと戦略が異なっている。
早期に、全員ワクチン接種が可能になることを願うばかりである。
(21/6/21追記)
いよいよ、65歳以下においても学校であったり企業であったり集団接種が始まった。
本社工場が奈良県なので、現知事の兼ね合いで奈良県の(65歳以下~12歳?)は遅めなのでは?とは感じる。
オリンピックもいよいよ近づいているし、ワクチンはほぼ全員打たないと意味は無さそうであるため、自由意思ではあるが打つのは望ましいと思うばかりである。
(21/9/22追記)
一時期、ワクチン供給量が減っていたり、中々回ってこない等、トラブルも色々在ったようだが、やっと著者もワクチン接種の順番が回ってくるようだ。11月には2回目摂取もある程度行き渡るようで、早くインフルエンザと同等くらいの脅威になって欲しいと切に願う。